Solanaで常に最新データの最速検知を狙うためにできること
Solanaで常に最新データの最速検知を狙うためにできること

Solana のブロック生成は、世界中のリーダーバリデータがスロットごとに交代しながら進行します。
この構造上、「今どこでリーダーがブロックを生成しているか(リーダースケジュール)」を正確に把握することが、最速でデータを検知するための第一歩です。リーダースケジュールと自分のリソース配置を照らし合わせることで、自分だけの専用ネットワークを活用し、さらに効率的なデータパスを実現できます。
フランクフルトだけでは「常に最速」を達成できない

Solana ではフランクフルトにバリデータが比較的多く存在し、多くのスロットでリーダーを担当します。そのためフランクフルトにサーバーを設置するだけでも一定の成果は見込めます。
しかし、ブロック生成地点はスロットごとに世界を移動します。たとえば東京がリーダーのスロットでは、フランクフルトからの往復レイテンシ(ping)は 200ms を超えることが多く、Shredsの受信・処理まで実効的に 1000ms 以上の遅れになるケースもあります。これは検知や反応のタイミングに直結し、特にトレードや監視系の用途では大きな差になります。
マルチリージョン構成がもたらす優位
単一リージョン構成では「その地域がリーダーのときだけ最速」になりがちです。これを避けるには、重要拠点(例:フランクフルト、ニューヨーク、東京、シンガポールなど)にリソースを分散配置し、各地域で Shredsの低遅延ストリーム受信を行うことが効果的です。
さらに拠点間を自前ネットワークでバイパス接続すれば、各地で得たストリームを相互補完し、より完全なリアルタイムビューを構築できます。これにより「常にどこかで最速」を維持しやすくなり、ブロック生成やリーダー切替の兆候を取り逃しづらくなります。
こうした設計は、最速検知が品質に直結するプラットフォームやアプリケーション(高速執行、瞬時な可視化、アラート等)に特に有効です。
リーダースロット情報APIによる支援
ERPC の提供する リーダースロット情報API(getLeaderSlots API) は、上記の設計を現実的に進めるための基盤です。フランクフルト拠点からの実測 ping 値や IP 由来の概位情報とともに、リーダースロットのスケジュールを取得できます。どの時間帯にどのリージョンが有利かを定量的に把握し、拠点の切替や送信戦略(どの拠点からどこへ送るか)の判断材料として活用できます。
一般に、参照地点からの ping が 100ms を超える場合、直接アプローチは効率が低下します。たとえばフランクフルトからニューヨークのリーダーを狙うより、ニューヨーク拠点の資源を活用した方が検知・送信の両面で有利です。getLeaderSlots API は、この判断を実測値に基づいて支援します。
リーダースロット情報API(getLeaderSlots API): https://erpc.global/ja/doc/rpc/leader-slot-api/
Alpenglow 時代に向けた高速化の流れ

Solana は今後、Alpenglow コンセンサスの導入によりファイナライズは現在の約12,300ms -> 約100-150msとなり、ブロック確定の大幅な高速化が進む見込みです。
さらに、Fast Leader Handover により、親ブロックの確定を待たずに次ブロック構築を前倒しすることでリーダー交代時の空白を短縮し、 相当の改善が見込まれます。その中核となる提案が SIMD-0337 Parent-Ready Update Marker です。
この変化に備えるためにも、マルチリージョンでのデータ受信とグローバル検知体制を整え、リーダースケジュールの現在地を常に掴む ことが、最速検知の第一歩になります。
SIMD-0337 Parent-Ready Update Marker: https://github.com/solana-foundation/solana-improvement-documents/blob/main/proposals/0337-parent-ready-update-marker.md
Premium Ryzen VPS で最速検知構成を実現

ERPC の Premium Ryzen VPS は、5.7GHz 級の高クロック CPU、ECC DDR5 メモリ、NVMe4 ストレージ、25Gbps ×2 のネットワークを備えています。オーバーコミットを行わない設計により、仮想化でありながらベアメタル同等の安定性能を発揮します。
対応リージョン
- Amsterdam
- Frankfurt
- London
- New York
- Salt Lake City
- Singapore
- Tokyo
主要バリデータや Jito ブロックエンジンと同一データセンター内に設置されており、ネットワーク距離を極限まで短縮します。マルチリージョン構成の拠点サーバーとして最速検知を支える環境を、そのまま本番用途で構築できます。ご注文は Validators DAO 公式 Discord よりお願い致します。
- Validators DAO 公式 Discord: https://discord.gg/C7ZQSrCkYR
Solana RPC Bundle プラン

Bundle プランは、HTTP・WebSocket・gRPC・Shredstream のすべてを統合的に利用できるパッケージです。
本番環境を維持しながら高速ストリーム開発にも着手できる構成で、最も多くのプロジェクトに採用されています。
既に RPC や gRPC をご利用中のご利用者の皆様は、Bundle プランへ移行することで追加費用なしに Shredstream を利用でき、実運用と同じ条件で性能検証を行うことが可能です。開発・運用の両面で柔軟な移行を実現する、Solana プロジェクト向けの標準構成です。
ERPC、Validators DAOが解決する課題
- RPC環境で発生しがちなトランザクション失敗やレイテンシ変動
- 多くのインフラプロバイダーによる性能制限
- ネットワーク距離が通信品質に与える影響の大きさ
- 小規模プロジェクトほど高品質インフラへアクセスしづらい状況
私達は、オープンソース開発を支援する Solana NFT カードゲームプロジェクト Epics DAO の開発過程で、高品質かつ高速な Solana 開発環境が容易に手に入らないという課題に直面しました。そのため独自のプラットフォームを構築し、その知見を基盤として ERPC や SLV を提供しています。
金融分野のアプリケーションは特にミッションクリティカルであり、遅延やエラーは直接ユーザー体験に影響します。分散したバリデータや Web3 特有の構造が重なり合う Solana 開発では全体像の把握が難しく、多くのプロジェクトが遅延や不安定さに悩まされてきました。
今後、Solana が Alpenglow をはじめとする次世代技術を導入することで、ブロック確定の高速化と通信レイヤーの刷新が進むと予想されています。ERPC および Validators DAO は、それらの変化にも柔軟に対応しながら、Solana エコシステム全体の開発体験とユーザー体験の向上に貢献していきます。ERPC も SLV も、その一環として位置付けています。
- ERPC公式サイト: https://erpc.global/ja
- SLV公式サイト: https://slv.dev/ja
- elSOL公式サイト: https://elsol.app/ja
- Epics DAO公式サイト: https://epics.dev/ja
- Validators DAO公式Discord: https://discord.gg/C7ZQSrCkYR

