ERPC、Solana SWQoS RPC エンドポイントをリリース。ステークコネクション専有レーンでより速いトランザクション

ERPC、Solana SWQoS RPC エンドポイントをリリース。ステークコネクション専有レーンでより速いトランザクション

2025.09.22
ELSOUL LABO B.V.(本社:オランダ・アムステルダム、代表取締役CEO:川崎文武)と Validators DAO が運営する ERPC は、新しい RPC サービス「SWQoS エンドポイント」をリリースしました。これにより、共有プランでも専有RPCでもステークコネクション専用レーンを利用できるようになり、トランザクションをより速く、より確実に届けることが可能となります。

背景

私達はゼロ距離ネットワーク・インフラを構築し、ShredStream や gRPC といった高性能なデータストリームを提供してきました。その中で常に求められてきたのが「送信用サービス」です。
ストリーム環境が安定し、次の段階として送信用の開発を開始し、今回その第一弾として SWQoS エンドポイントを公開しました。
今後は Solana Stake BandWidth マーケットの開通や、マルチリージョンでの SWQoS エンドポイント提供へ発展していきます。アプリ開発者、トレーダー、バリデータすべてにメリットが還元され、Solana ネットワーク全体の効率化につながります。

SWQoSとは

SWQoS(Stake weighted Quality of Service)は、ステーク接続を持つバリデータを優先する仕組みです。リーダーは優先帯域に約80%、非優先に約20%を割り当てており、優先帯域は非優先の5倍のトランザクション BandWidth を持ちます。
この制御は Priority fee の評価より前に適用されるため、まず SWQoS によって優先レーンに乗ることが高速処理の前提となります。

製品概要

今回提供を開始した SWQoS エンドポイントは、共有プランでも専有 RPC でも利用可能です。最初の対応リージョンはフランクフルト(FRA)で、今後の拡大を予定しています。

コスト構造の転換

elSOL Staking
通常のトランザクション送信サービスでは Tip を添えて送る必要があり、累計で数百 SOL に達することも珍しくありません。ERPC の SWQoS エンドポイントでは Tip を送る必要がなく、代わりに elSOL の保有によって優先帯域を利用できます。
elSOL は Solana の LST(Liquid Staking Token)で、SOL をステークすることで発行されます。elSOL の価値はステーク報酬の積み上がりを反映して常に SOL に対して増え続ける設計になっており、固定の 1:1 ではありません。例えば 1 elSOL を保有し続けると、時間の経過とともに「1 elSOL = 1.1 SOL」「1 elSOL = 1.2 SOL」と増えていきます。しかもいつでも SOL に戻せるため、流動性を保ちながら報酬を得られます。
さらに、elSOL のステーク先は ERPC に接続されたバリデータであり、elSOL の保有量が増えることで、このバリデータが持つ SWQoS BandWidth が拡大します。elSOL ホルダーは自らの保有によって ERPC 全体の回線強化に貢献し、その対価として利用可能な帯域を得ることができます。これにより、高速で安定したトランザクション送信を享受しつつ、報酬も得られる仕組みが成立します。
elSOL - Solana LST: https://elsol.app/ja

帯域割当(TPSの仕組み)

Solana RPC Price
共有 SWQoS エンドポイントで利用できる TPS は「elSOL 保有数 ÷ 4.2」で計算され、端数は切り捨てとなります。例えば 10 elSOL を保有する場合は 2 TPS が付与されます。実際の利用上限は「契約プランの最大 TPS」と「elSOL に基づく TPS」の小さい方になります。Developer プラン以上の契約が前提であり、Bundle プラン各種も含まれます。
Validators DAO 公式 Discord からご利用が可能になっています。

Priority feeとの関係

Priority fee は重要ですが、適用されるのは SWQoS で優先レーンを通過した後の段階です。SWQoS によって専用レーンに到達できなければ、Priority fee を引き上げても意味がありません。実際の運用では、SWQoS と Priority fee の両方を組み合わせることが効果的です。

ShredStreamとgRPCの役割分担

ShredStream は兆候を最速で検知でき、gRPC は確証を得るのに適しています。Bundle プランに加入すれば RPC、gRPC、Shreds を一括で利用でき、さらに elSOL 保持によって SWQoS 帯域が利用できます。検知から確証までを同じ環境で完結でき、速度と安定性を両立できます。
Bundle Price List

将来の展望

今後、SWQoS マーケットを公開予定です。バリデータは自身のステーク由来の回線を ERPC に接続して貸し出し、インセンティブを得ることができます。elSOL をステークすることで BandWidth 提供に参加することも可能となり、elSOL ホルダーも追加のインセンティブを獲得できます。利用者と提供者が結びつき、より効率的で堅牢なネットワークの発展を促進します。
回線貸出によるインセンティブに興味をお持ちのSolanaバリデータは、Validators DAO 公式 Discord からお問い合わせください。
さらに、elSOL ステークによる BandWidth 貸出のインセンティブに加えて、elSOL 初期ホルダーは Validators DAO の $VLD トークンのエアドロップ対象となります。詳しくは Validators DAO 公式 Discord にてホワイトペーパー、ライトペーパーをご確認ください。

ERPC、Validators DAOが解決する課題

  • 一般的な RPC 環境で発生しがちなトランザクション失敗やレイテンシ変動
  • 多くのインフラプロバイダーによる性能制限
  • ネットワーク距離が通信品質に与える影響の大きさ
  • 小規模プロジェクトほど高品質インフラへアクセスしづらい状況
私達は、オープンソース開発を支援する Solana NFT カードゲームプロジェクト Epics DAO の開発過程で、高品質かつ高速な Solana 開発環境が容易に手に入らないという課題に直面しました。そこで独自のプラットフォームを構築し、その知見を基盤として ERPC や SLV を提供しています。
金融分野のアプリケーションは特にミッションクリティカルであり、遅延やエラーは直接ユーザー体験に響きます。分散したバリデータや Web3 特有の仕組みが重なり合う Solana 開発では全体像の把握が難しく、多くのプロジェクトが遅延や不安定さに悩まされてきました。
私達は必要とされる高性能な開発基盤を提供し、Solana エコシステム全体の開発体験向上とユーザー体験向上に貢献していきます。ERPC も SLV も、その一環として位置付けています。
本内容は投資助言ではありません。ご利用はご自身で調査の上ご判断ください(NFA/DYOR)。